トランプ米大統領はFRB次期議長にジェローム・パウエル(Jerome Powell)現FRB理事を指名しました。
[ワシントン 2日 ロイター] - トランプ米大統領は2日、米連邦準備理事会(FRB)の次期議長にジェローム・パウエルFRB理事を指名すると発表した。現職のイエレン議長は任期満了を迎える来年2月に1期4年で退任する見通し。
パウエル氏は2012年以降、理事を務め、中道穏健派として知られる。
トランプ氏はパウエル氏について、健全な金融政策運営において合意を形成できる人物で、知恵や指導力があると評価した。
ホワイトハウスの当局者は、トランプ氏がパウエル氏との面談の際、中銀の独立性の観点から金利の方向性などには触れず、過去の経歴やFRBでの経験、自身との相性などで決めたとした。
イエレン氏は円滑な引き継ぎに向け、パウエル氏に協力するとのコメントを発表した。
イエレン議長が2018年1月の任期で退けば約4年1,459日、2000年以降だとグリーンスパン議長の19年6,749日、バーナンキ議長の8年2,922日と比べても分かるとおり短命の議長となる。
米大統領が前任の大統領が指名したFRB議長を再任しないのもジミー・カーター政権以来約39年ぶりの人事だとか。
イエレン議長の任期が切れた後も理事としての任期は2024年1月まである為、引き続きFRBでの金融政策に助言するかは現段階では未定。
パウエル現FRB理事のスタンスは?
パウエル現FRB理事についてニュースなどで報じられてることをまとめてみると
・一般的にはハト派もしくは中立とされてる事が多い
・イエレン議長の政策継続
・規制緩和の取り組みでホワイトハウス、トランプ氏と歩調が一致
・金融規制改革法(ドッド・フランク法)の改革で規制緩和を支持
・「ボルカー・ルール」の見直し
・緩やかな利上げを続けることが適切
・バランスシート縮小も極めてゆっくりと進行すると見込まれる
・2%のインフレ率を達成することに強くコミットしている
12月の利上げがほぼ確実視されていますが、タカ派的な次期議長が選出されなかったことで相場の反応は穏やかな動きになると思われます。FRB副議長の選任、空席があるFRB理事が次の注目点となりそうです。
ドル円相場への影響
パウエル理事はイエレンFRB議長の政策を継承するとみられており、利上げは12月に実施した後、来年3回の利上げを行うことが予想されます。
一方日銀は異次元の金融緩和継続の方針であるため、日米の金利差が徐々に拡大していく可能性が高いです。
円安ドル高傾向がこの先も続く条件が揃っていますが、シカゴ先物市場円ショートが積み上がっており、この辺りでドル円の頭打ち感が出てきてもおかしくはありません。